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エクソソームが描く不妊治療の未来 〜小さなゴミに大きな期待?〜

< エクソソームとは? なぜエクソソームが注目されているのか? >

1、エクソソームとは?

細胞は直径は50-1,000 nmの小胞を分泌しています。
新しいタイプの小胞が次々見つかっているため、厳密な定義は確定できていません
エクソソームは直径は40-150 nmの小胞のことを指し、最も知名度がある小胞です。
すべての細胞から分泌されており、また全ての体液中に認められることが分かっています。

2、現在の状況は?

現在の段階では、細胞外小胞(extracellular vesicle:EV)という名前で統一し、分離方法やタンパク質マーカーなどを用いて、これらの小胞をさらに分類しようと懸命な努力がなされています。

3、エクソソームの中身は?

核酸 (マイクロRNA、メッセンジャーRNA、DNAなど)やタンパク質などを、含んでいます。

なぜエクソソームが注目されているのか?

エクソソームは、「全ての細胞から分泌される」、「 全ての体液中に認める」、「核酸やタンパク質などを含んでいる」という特徴を持つ
→ エクソソームは、細胞間におけるコミュニケーション手段??
医薬品を届ける手段 (drug delivery system; DDS)や、診断ツールとして注目されています

< エクソソームを集める方法は? >

エクソソーム研究が開始された当初から行われているのは「超遠心法」であり、現在も標準的な回収方法として多くの研究者がこの方法を用いています。

< 不妊領域におけるエクソソームの役割について >

精子の成熟、早期の先体反応や受性能獲得の予防、受精能獲得、先体反応、多精子症の予防、胚間の情報伝達 (共培養)、子宮内膜と胚における情報伝達など、多くの不妊領域にエクソソームは関わっていると報告されています。

< 国内外における研究及び治療の実態について 〜厚生労働省のホームページより参照 >

結論としては、エクソソームは不妊領域に今後関わってくる可能性は十分ありますが、いまだにエクソソームの定義も確定しておらず、もちろん治療効果も証明できません。
また回収方法による弊害として「感染のリスクなどもあるため、不妊治療目的でのエクソソームの使用は現時点ではお勧めできません

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